2章 悪霊の深圳の裏切り2

一次試験の結果発表から一週間程度の日数が経ち、二次試験当日。

オンラインでの面接ということもあり、朝からソワソワする両者。ネットの回線の調子や、画面の設定など様々なことに留意しながら準備を進めていく。

落ち着かないのは、我々だけでなく、雰囲気を感じ取った愛犬パティもであった。頼むから、俺の肘に対して腰を振らないでくれ。

そんな静かで慌ただしい中、面接が始まった。

「‥‥‥‥‥‥‥ですか?」

「‥‥‥‥‥‥‥です。」

「‥‥‥‥‥‥‥ついてはどう考えますか?」

「‥‥‥‥‥‥‥と思います。」

「それでは以上で面接を終わります。」

「ありがとうございました。」

「ありがとうございました。」

かなりの長時間をかけ、一カ国ずつ、計五カ国とのオンライン面接が終わった。

全てが聞き取れたわけではないが、途中、信じられないくらいの圧迫面接や、軽い人格否定っぽい投げかけ。無茶ぶり等がありがながら、彼女は非常に健闘していた。そして愛犬も暴れていた。

「これなら、どこかしらは引っかかるかも知れないね。」という言葉をかけ、その日は悔し涙する彼女をベッドまで見送った。

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