2章 悪霊の深圳の裏切り

それからしばらく経ち、結果を待っている中彼女から連絡が来た。

「色々受かった。」

よく分からない報告に、とりあえず「よかったね。」と言う。

複雑な気持ちを抑えながら、どこの国の採用の候補になったのかを聞いてみることにした。

「中国、ベトナム、タイ、カンボジア、香港からオファーが来ているみたいだよ」と呑気に様々な国を紹介してくれる彼女。

「おぉ!色々受かってよかったね。」

しかしこれは一次試験の結果だ。

まだ面接という最難関が今後待ち受けている。

とりあえず、前回内々定を受けていた深圳について聞いてみると、「なんか深圳じゃなくて上海が受かった」

「深圳は‥!どうなったの?」

「なんか落ちていたみたい。」

(‥おいこら深圳。。。人の気持ちを踏み躙るんじゃねぇよ!俺たち2人がどれだけお前らの街をYOUTUBEで見たと思ってるんだ。アジアのシリコンバレーだ?まじカッケーじゃねーか。俺も住民になりたかったよコンチクチョー)

心の声を堪えて、彼女の気持ちを最優先に考えるようにした。

「まぁでもそれだけ一次試験で受かったんだから、君の夢の海外での生活は現実になりそうだね。」と僕は言った。

「うん‥でも深圳は落ちてみたい。」

おいこら深圳!こういうタイプの無い内定はあかんやろ!人の気持ちをなんだと思っとるんや!と思いつつ、気持ちを前に向け「とりあえず、今受かったところに全力を出していこう。」とナイスフォローをする。

色々ありつつも、二次試験の面接の対応を考える僕と彼女であった。

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