8章 IDと銀行と面接と呪われし職場④

一ヶ月も続くと、だいぶ仕事もスムーズになり、言われる指示が的確にわかるようになってきた。しかしここで問題発生。働かせていただいているが、私の本業は一応主夫だ。

妻への援助や快適な生活を送るのを手助けするのが私の本業。というわけでシフトは朝から夕方4時までという契約でやってきた。(夕飯の準備のため)しかし、その時間はもう人がたくさんいると言われた。マネージャーから多大なる圧をかけられる。

そうこのマネージャーが要注意人物だ。

あまり人格否定的なことを言うのは好きでは無いが、私の英語が流暢で無いことや、指示が通らないことがあると露骨に差別的な発言を繰り返していたのだ。

あまり気にせず流していたが、ここ最近はあからさまで、私が調理場で滑って転んだ時は、周りのスタッフは心配している中、マネージャー1人大爆笑。そして帰るまで5時間近く「こいつ今日調理場でこけたんだぜー」と延々とネタにされた。

そんなことがありつつ、シフトを減らしたい的なことを言われた。こっちとしても週3的な希望が週5位だったので好都合。快く承諾。

話が少し変わるが、香港では共働きが主流で、夫婦ともに働いている。

インドネシアから出稼ぎで来ている家政婦さんを雇い、子供の世話をさせるのが一般的な家族の在り方だ。子供の学校までの送迎や調理、洗濯などは全て家政婦が行う。

なので、マネージャーとしては、私が主夫を理由に働く時間を減らそうとする理由が理解不能な様子。

ある日、次のシフト表がアプリで送られてきて愕然。なんと翌週のシフトがごっそりというか、全て削られていた。

来週はパート無し。これは。。。

ショックな気持ちを堪えつつ、気持ちを切り替えてフィリピンのマニラ行きの航空券を急遽予約した。

せっかく休むならどこか旅行でも行ってやろうと、フィリピンのマニラに行くことにした。

香港は物価が高すぎるので、コーヒーを買いにフィリピンのマニラまで行く。往復航空券でも10000円台なので、かなり安くつく。というか、立地の関係か香港は海外に行くための航空券が日本に比べてメッチャ安い。特にベトナム、フィリピン、タイが安く、時期を選びば往復で1万円台で行ける。

フィリピンでは香港で食べられない野菜をたくさん摂取し、コーヒーを購入しサクッと帰国した。もちろん妻のお弁当は5日分作成し冷凍して準備済みだ。

そして翌週。次のシフトが送られてくる。驚愕。また全休み。

すると、マネージャーから連絡が。

「君の希望だとシフトは入れられない」

「あなたが、言った時間に変更したでしょ?」

実はマネージャーこの時間で入ってくれ。と言った時間に希望を変更して、シフトを入れていたのだ。かなり変則的なシフト時間にだ。

「それでも無理だ。この時間はもういらない。」

「それは非常に残念です。」

と言った後に。解雇通知の連絡のメッセージが。

「えっ…!?」

この他にもメッセージは細かくあったが、マネージャーの連絡は24時間で自動的に削除される。念のためスクショを撮っておいた。

その後本部から

「今回は退職を希望ということでしたが、今後の我々の活動のために、フィードバックをお願いします。なぜ退職を希望されました?」さすがは外資系大手。

というメッセージが来た。

「そもそも退職は希望していません。勝手に退職扱いにされました。」

と報告。

「上層部でかけ合います。しばしお待ちを」というメッセージが来て待つ。

数日後

「あなたを退職扱いにしないことになりました。いつからパートに出られますか?」という連絡がきた。さすが外資系。実にスマートで合理的。

というかマネージャーはどうなっているんだ?ということで確認すると。マネージャーはそのままで、また一緒に働けとのこと。

ここで保存していたスクショを添付して送信。彼が私をやめさせる方向で勝手に持っていたんだ。と主張。

それでもマネージャーとはそのまま一緒に働けとのこと。

「いやいやそれは流石になぁ」という思いを持ち、妻と話し合い。非常に腹が立ったが、もう見切りをつけて辞めよう。ということになった。

するとマネージャーから連絡

「やめんなら、シャツと帽子返却に来いよ。」

本当にこいつは…

次の日、シャツと帽子を返却して、そそくさと帰ろうとすると、マネージャーと鉢合わせ。誤解を解きたいと言われた。

こちらとしては何が誤解じゃ!という気分だが、事務所に呼ばれ入る。

話し合いの中で、一向にソーリーという言葉が出ないのと、今回はお前のシフトが原因だと続けるので、もういいわと思い、話を途中でやめて帰ることにした。

店を出る際に他のスタッフは心配そうに私をみていて、クリスさんやエリナさんが話しかけてくれた。エリナさんは今日の分の私のバーガーをあげるから、奥さんと食べなさい。と言って、ハンバーガーを恵んでくれた。本当にいい人達だった。優しくしてくれた方々本当にありがとう。

そしてクリスさんごめん。マジンガーZの熱狂的ファンらしく、次帰国したらグッズ買ってきてあげるよ。と約束したのに、その約束が守れず、グッズあげられなくて申し訳ない。ごめんよ。

というわけで私のファーストジョブIN香港は何か不当解雇っぽい感じで終わりを告げた。

あーマジで海外での働き方ってこんな感じなんだろうなーと思った。採用は条件があえばいける。解雇もメッチャ速攻。

そういえば私が働いた二ヶ月弱の間に消えていった人もかなりいたなぁーとしみじみ振り返る。

その後の仕事は、香港で出会った数少ない香港人友だちとの交流の中で、オンラインで完結できる仕事を紹介されてそれを受けることにした。誰にでもできる仕事ではない事と、自分の特技を活かせる仕事だったので、以前の仕事に比べ非常にやりがいもある。そして時給も2倍以上に上がった。ざまーみろマネージャー。

これは余談だが、さらにその後、とあるスポーツのインストラクターになれる仕事を紹介され、自分がそのスポーツに精通していることもあり、すぐに採用が決まった。こちらは時給が10000円ととんでもない給料。

日本に一時的に帰国するので、そこから帰ったら働き始めるという条件で話がまとまった。

インスタグラム用の写真を撮り、宣伝材料にもされ、これから仕事が始まるというタイミングで、「香港への帰国が遅いので、もうあなたは不要です。」的なメッセージを受信。

あらかじめ伝えておいたのに、いきなりこの連絡。さすが香港スタイル。

軽く話を聞くと。「予約がたくさん埋まって、早く始めたいのにあなたがいないから、スタートできない。それは困る。」と謎理論を展開。

いやいやそれはそっちの都合でしょと思うも、全く取り合ってもらえない。

そして、「もう不要です。」と言った後も、インスタで散々私の宣伝写真を使い倒し、活用されまくっていた。もはやネタである。基本雇用に関しては、口約束では当てにならないなぁと実感した経験でした。

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