7章 エデンの生活たち 物乞い編

うちの自宅の近くにはスーパーがある。そこで食料品を日常的に買うのだが、食料品の買い出しで困ったのは、葉物の種類である。見たことのない葉物がずらりと陳列されている。パッと見はどれもほうれん草である。しかし二十種類程度のほうれん草なのか、はたまた違うのか全く区別がつかない野菜が並んでいる。Googleトランスレートの写真機能を使用して広東語を翻訳するも、上手に日本語に翻訳されず「中国◯草」のように表示され、これがいったいどんなものなのかわからない。さらに、値段も気軽に挑戦できるような価格設定ではないので、なかなか買えないのである。

ぱっと見でこれわかるぞ。という野菜は人参、玉ねぎ、ジャガイモ、キャベツである。

白菜に至っては日本のサイズの5分の1位のサイズのやつが売っていて、これはどう使うのか?とわからずじまいで今だに購入したことがない。キャベツも二種類あり、日本でみるタイプと、その4分の1位のサイズのものがあった。これは試してみたが、サイズが小さい以外は同じだった。

そんなスーパーでとあるキャンペーンをやっていた。

「◯◯円以上お買い上げで、シール1枚」というものだ。

入り口の近くにおそらくそのシールと交換できそうな商品が陳列されており、専用のチラシが台紙になっていた。香港版ヤマザキ春のパン祭りである。

ただひとつルールが違っていたのが、シールを50枚集めた後、陳列されている商品を安く購入する権利が与えられるだけで、無料で何かがもらえるわけではないということだ。

ある日そのスーパーに行くと入り口で紙コップを持った人がいることに気がつく。

その人は自動ドアの近くにもたれかかり、買い物を終えた人をターゲットにシールをもらおうとしているのである。後日そのカラクリが分かった。

香港版のメルカリ的なアプリでカルーセルというアプリがある。そこに大量のシールが出品されているのを見つけた。「なるほど、彼らはこのシールの転売で生計を立てているのだな。」これは確かにいいアイデアだ。いらない人はシールを彼らに譲り、誰も困ることなく、リスクもなしに収入を得ることができる。そういうことか。。

そしてある時、そのスーパーに行くと、シールを集めることで安く手に入れることができる商品が変わっていた。スーツケースだった。

私の趣味は海外旅行で過去にたくさん旅行に行っていた。そろそろスーツケースを新調したいと考えていた矢先に、まさかの安く買えるスーツケースの登場である。

これは欲しい。しかし、スーパーの前で粘ってシールをもらうのはいかがなものか。というわけで正攻法でシールを集めることに。しかし三日で気がついた。

1会計で、1枚2枚程度のシールを50枚集めるのは流石に無理。そしてID入手までに空いた時間。これはやるしかないと。

とりあえず下見を兼ねて、人が多い地区に移動し、スーパー退店後の人の流れや、もらったシールを人々がどうしているのかを観察した。

合計5店舗をそれぞれ視察、観察した結果、ある特定の1店舗のみ、買い物後の客に威圧感を与えずに、気軽に声をかけることができそうな店舗があることに気がついた。

正直もじもじしていたが、せっかくなのでチャレンジしてみることに。

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