6章 幻の香港ID入手まで トラム編

香港ID(という香港に滞在するものが携行する必要があるカード)が手に入るまでは、僕の身分が保証されず、香港に滞在する日本に住民票もないただの日本国籍の無職になった。

どうやらあと20日位は入手ができないとのこと。

その間は、ただただ食って寝るだけの生活。。。流石に何かしたい。一日中家にいるのは気が滅入る。ということで、今の自分でできることは何か考えた。

お金を稼ぐことは難しい。面接の依頼を出すこともできない。さまざま制約がある中で自分のできることを考えた。まるでクラピカばりの制約である。

とりあえず、資本があまりないので、お金がかからず香港を探検しようという目標を立てた。お金をかけずに行くためにはトラムである。

トラムは1乗車日本円で60円である。どこで乗っても、どこで降りても定額。海外の公共交通機関あるあるの定額である。

以前旅行で香港に行った時は「トラムすげー。」「どうやって乗るんだろう」と、あんなに輝いてたのに、現地に滞在することが決まってからはトラムはただの動きが遅いバスという認識に変わったものの、安いのは確か。これを利用する手は無いと考え、トラムってどこまで行くのかと、香港の立地について理解を深めるためにトラム終点までとりあえず色々乗ってみる旅を決行することにした。

ぶらり途中下車しない、終点までただただ周りを眺める旅を何日かしてみて気がついたことが2つあった。

1つはいつも同じ場所で非常に混み合うこと。そしてもう1つはトラムは長時間乗るとお尻が異常に痛いということだ。

香港の地理に詳しくない方向けに香港を簡単に説明すると。

香港には大まかに三つの島がある。九龍島(クーロンとう)香港島、空港の島の三つだ。

九龍島は、一般的に旅行者が行くであろう尖沙咀(チムサーチョイ)や旺角(モンコック)いわゆる男人街や女人街があるエリア。いけてる男女が集うエリアである。

空港の島は空港、ディズニーランドなどがある。こちらも非常に人気。知らなかったが、どうやらここだけで、滞在を済ませる人もいるらしく2泊3日で、ディズニーランドを満喫する人には人気らしい。

香港島は。。。正直よくわからない。とりあえずセントラルという金融街がある。

金融街には、香港の大手銀行や中小の銀行、証券取引所っぽいところがあってめちゃめちゃいけてるビジネスマンが多くいる。

当然私は香港島滞在である。話をお尻が痛いに戻すと。セントラルという金融街付近でいけてる男女がトラムに非常に乗り混んできて、めちゃくちゃ混む。座っているからと言って気にならないなんてことはなく、半端じゃ無いくらい混む。何せ香港は人口密度世界ランク1位だから。

(調べたら一位はシンガポール)

トラムの中でも1位じゃなくてもいいのに(一位はシンガポール)。とはいえ、日本の満員電車に比べると割と穏やかである。なぜならトラムの本数が半端じゃ無いからだ。

トラムなんて最悪一本見送って次の空いているのに乗るなんて日常茶飯事。とは言うものの、次が謎に20分こないなんてことも日常茶飯事。(ここで訂正しておくが香港のバスや電車は非常に時間通りくる。バスにおいてはバス停にモニターが付いていることが多く、日本のバスより正確な時間に来ることが多い。しかしトラムだけは別。なんてたって安いから。)逆に、トラムが遅れて、四つのトラムが一本の線路を連動して走る光景も見たことがある。逆にいえば、客は行き先や混み具合を勘案して好きなトラムに乗ることができるともいえる。

そんなこんな統計を取りつつ毎日トラムに乗ってみてトラムにはそれぞれ、違った終点があることに気がつく。なんとなく終点はあるんだろうなという気持ちはあったが、行き先の漢字が読めなかったなので、なんとなくで乗っていたので適当に乗っていたが、運転手がわざわざ2階まで来て「降りろ」的なことを言う場所に共通点があることに気がついたのだ。

ここで学習したことは、ある一定の場所までで、降りなきゃ行けないこと。「この漢字の目的地はここまでだ」と感覚的に掴んだことである。

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