5章 天空の物価高

あっという間に、引越しの日になった。愛犬を実家に預け、荷物を整理し、冷蔵庫に沢山貼ってある海外お土産のマグネットに一礼して、家を出た。

家族や友だちに別れを告げて、出発。そして入国。

まず想像を超えていたのが、気温と湿度だ。

4月にもかかわらず、30度を超えていて、ねっとりと体を覆う湿度。これは手強い。

飛行機の機内は比較的ひんやりなので、薄手のカーディガンを羽織っていたが、飛行機から出た途端、ピタピタと肌に密着してくるくらいの水分を吸収している。

さまざまな手続きを終えて一旦ホテルへ。入居準備が完了するまで、市街地のホテルに泊まることになった。このとき、当面の生活費として支度金をいただいた。

香港では、何をするにも「香港ID」という日本で言うマイナンバー的なものが必要だそうで、銀行の口座開設やアルバイト、仕事をするにも絶対に香港IDが必要らしい。というより、銀行口座が開設できなかった場合、面接すらさせてもらえないらしい。

万が一警察に職務質問を受ける際に、香港IDがないと一発でアウト。代わりにパスポートでもOKらしいが。

とりあえず、香港IDが手に入るまでは、どうしようもできないことが分かり、これからどうやって仕事、パート&バイトを見つけようか考える。すごく考えた結果、何も浮かばなかったのでコンビニ弁当を食べて、もたれながら寝た。

次の日、急遽住居が空いたとのことで、早速マンションに移動。30階建て位のタワマンだ。というか、香港にあるマンションはほぼ全てタワマンなので、あまりタワマンに価値があるわけではない。

荷物をもち、共同玄関の使い方などの説明を受けていざ入室。想像よりマジで狭い。

2人生活で、実質ワンルーム。

後に聞いたが、どうやら家賃は月40万円らしい。(職場負担)とんでもない額。

色々荷物を整え、落ち着いた後に気がついた。

飲み水どうするか問題である。

もちろん水道水がそのまま飲めるわけはなく。水をどうするか考える必要があった。

毎回近くのスーパーで5Lの水を買うか、それとも水、温水が出るウォーターサーバーを契約するか。

しかし、貧乏性の私としては、パスタやうどんを茹でるときの水にウォーターサーバーの水を使用するのに非常に抵抗があった。

とりあえず、ちょっと行った先にイオンがあることがわかり、飲み水問題は一旦放置しつつ、イオンに行って必需品を購入することにする。

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