約1ヶ月間一人でバックパッカーをしてみて、気づいたことが結構あった。
散々憧れを抱いていたバックパッカーであるが、もう一度行きたいかと言われると、正直微妙だ。期間を決めずに、ある程度放浪しても良い状況であれば、ふらふらとしてみたいものだが、数ヶ月で周って帰ることを考えると、旅中にどうしても帰国の2文字がチラついてしまって心底旅に没入できないものだなと感じた。
やはり憧れと現実は何事も違うものである。
しかし、経験としては素晴らしいものであった。
特に自分一人で常に行動するので、今まで気づかなかった自分の側面を知ることができた。私の場合は、草木が多い公園が好きなことに気がつき、有名な観光地ではないのに、無駄に公園のベンチでダラダラすることがあった。何だか少しのんびり過ごすことが好きな自分の一面を知ることができた。
普段の旅行では、限られた時間を少しでも無駄にしたくない思いで、結構詰め込みがちだが、一人ではそういう動き方をするのだと感じた。
この旅を通して大きく感じた点は三点
一点目は旅の途中で感じたのだが、そもそも「バックパッカーは何故バックパックで行くか」という疑問だ。これは私のスタイルが違うのかもしれないが、正直機内持ち込み可能な小型のスーツケースでも良いのではないかと感じた。

近くを行動する際は結局小型のバックパックやボディバックのようなものを携行するので、大型のバックパックはホテルや宿に置きっぱなしであることが多い。であるなら、わざわざバックパックにする必要はあまりないように感じた。
一種の「バックパッカー感」や「ステータス」のようなものだろうか。正直自分には理解ができなかった。
合理的に考えれば「外出中に使用しない荷物をどう運ぶか」ということなので、こだわりがなければ、別にバックパックに固執する必要はないのではないか。というのが私の結論。
ガチ勢の方すみません。
気づき二つ目は、流行は世界のエリアごとに結構違う。ということ。今日本では太めのパンツや、オーバーサイズのシャツなどが流行っているが、中東ではほぼ全員スキニーで、同じ香りのする香水を皆つけていた。中東では自分の香りも権威の一種らしく、香りを大切にする文化だそうだが、それにしても皆が皆同じ香りなのは少し気になった。東欧でも基本的に細身の服装が多かったが、様々なファッションが混在していた。スポーツタイプのタイツやスパッツなどを着用している人も多かった。他人からの評価を気にする格好ではなく、自分が好きなもの、着たいものを着用しているように感じた。
日本では結構周りからどう見られているかを気にしてファッションや服装を決める方が多い印象なので、自分の好きな格好や、周りからの目を気にしないスタイルが日本人にも大切なマインドなのかもしれないと感じた。
ちなみに私は荷物を軽くするために、最小限の荷物だったので、ずっとダサかった。
気づき三つ目は、日本は旅行地としてかなり完成度が高いということ。
中東から東欧までの旅程では、基本的にレストランでは肉料理ばかりで他に選択肢がなかった。なんなら米もなかった。野菜もグリルベジタブルを頼まないと出てこないことがほとんどで、肉以外を食べたいなと思った時にはレストランではなかなか野菜や米を扱っておらず、探すのにかなり手間取ることが多かった。
それでいうと日本では、肉、魚、野菜とどこでもなんでも食べることができ、選択肢が多いので、かなり旅行初心者には優しい国なのではないかと思った。(ハラルやビーガンを除く)
まぁ実際帰国とはいえ、香港に戻ってきただけなので、日本にはしばらく戻れないのだが、改めて日本の良さを感じることができた。
これは余談であるが、普段は年に二回程度友達と海外旅行に行っているので、一人旅をしてみて「1人だと結構寂しい」「感動を共有したい」という気持ちかなりあった。
特にピラミッドとパルテノン神殿では非常に感じた。こんなに凄い心を動かされているのに、誰にもその感情を表現できないもどかしさは一人旅ならではだろう。黙々と行程をこなしたり、目的地を目指したりと、そういったふとした瞬間に寂しさを感じることがあった。
というわけで、これがざっくりとした私の一人旅の振り返り兼感想である。
ちなみに、計算してみたところ。滞在費、食費等全て合わせて1ヶ月で50万円位かかっていた。半分以上は飛行機代だったが。
今回は出発地が香港だったから、これでもかなり飛行機代は安かった。おそらく日本から出発するのとでは大きく差が出るだろう。ということでセーフ。これでまた、死ぬまでにやりたいことリストから一つの項目を達成できた。
しばらくは香港に滞在し、妻のために献身的に主夫を務めたいと思う。
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