1章 深圳の先制攻撃2

僕は20年ほど前に父親と2人で行った北京の旅行を一生懸命思い出そうとする。

確か、気温が低すぎて朝ホテルの部屋の窓が凍りついて開かなかった。

ヴィトンの偽物の財布が200円で売っている。偽物のロレックスが36円で売っている。マッサージが気持ちよかった。雑技団がすごかった。そんなどうでも良い情報ばかりが頭の中を駆け巡る。

10分ほど時間が経ち、落ち着きをとり戻しながら今契約しているこの家はどうすれば良いのか?いずれ日本に戻ってくることを考えると、荷物や家財の為に家はキープした方が良いのか。旅行じゃないが、海外での保険はどうなのか。年金や保険料などの支払いはどうすれば良いのか?

そして何より彼女が転勤、転職となると、僕の今の職業はどのような位置づけになるのか。様々なことが頭の中を駆け巡る。

様々なことを考えながら、僕はストロングゼロの缶を開けた。

‥そういえば、中国にチューハイってあるのかな?

第2章に続く…

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