1章 深圳の先制攻撃

それは2023年の年末のこと。。。

平日の15時突然彼女から電話があった。

「深圳の会社が面接したいっていってくれているみたい。」

IPHONEの小さなスピーカーからは、そのスピーカーのサイズを凌駕するような声量で僕に今の状況を伝えようとする彼女の声が響いた。

「それで君はそこにいくことに躊躇はないわけ?」僕がどこに行こうと、彼女の意思が大切である。

「うん‥」不安がありつつも決心を固めたような声のトーンになり、僕に意思を表示する。

「じゃあ頑張りなよ」僕は、当たり前のように応援の気持ちを伝えた。

電話を切った後の僕は、中国の深圳での生活をイメージした。

僕は海外旅行に毎年2回か3回いく。日本での生活を切り詰めに切り詰め、唯一と言ってもいい趣味の海外旅行のためにお金を貯めていた。今まで行った国は数知れず‥もちろん将来の夢は海外移住だ。海外に行って何をしたいのか。そんなものは分からない。ただただ憧れ、住んでみたい。その体験の為に今の仕事をしている。

海外旅行の経験も、一般的な旅行者に比べ多くなってきたこの時期に彼女からの一報だった。

中国。。日本から非常に近く、昔から国交と因縁のあった中国。今世間のイメージではTEMUやSHEINなどの通販サイトが日本では人気であるということ。一方、VISAの申請が難しく、今はなかなか行きにくい印象があることも事実である。

もし中国に生活の拠点を置くとなると、どのような生活になるのだろうか。不安と期待が入り混じる。

一番の不安は飼い犬のパティだ。チワワとプードルのミックス犬のこの子は中国の土地や生活に馴染むことができるのだろうか。そして飛行機を使ってどのように連れていくのか。また、今は中国で新たな肺炎が流行っているらしい。先進的な部分もありつつ、社会主義って医療の体制がどうなのか。

様々な思いを胸に抱く私。。。

次回へ続く

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